∫|f(x)-ag(x)|dx の最小値

実はこのタイプの問題には幾つかの解法が有ります.
(x1, x2 は定数,大文字のアルファベットは原始関数とします.)
(f(x) と ag(x) の大小関係は図の様にします.逆の場合も同じ議論が出来ます.)

f-ag1.jpg
普通の解法だとここで ① を使って a 又は α のどちらかを消去して 1変数関数にして微分するのですが,a と α が混在したこのままの状態でも微分出来ます.この方が楽.積の微分法と合成関数の微分法を使えば良い.
f-ag2.jpg
もっと言えば,② から積分を実行し無いで微分出来ます.
f-ag3.jpg
「S が最小と成る様な a を求めよ」成ら恐らくこれが最速でしょう.しかし普通は最小値を求め無ければ成らずその段で結局積分を実行し無ければ成らないから余り有難味は無い?

もう1つの解法.他の絶対値の外し方では明らかに最小とは成ら無い場合は(それをことわって),絶対値を外す時に不等号を使う事で,
f-ag4.jpg


この様に色々と計算量が少なく成る別解が有りますが,例えば全ての絶対値の外し方を考慮せよとか S を 1変数関数で表せ等の問題文の誘導の関係で普通の解法以外は余り出番が無いかも知れません.

Post a comment

Private comment

Re: いえいえ,どういたしまして

やはり,最小性の保証でそうなりますよね.一応『伝説の良問100』では「aの値がなんであっても」と書いてあったりするのですが... 同じ著者の『理系の難問徹底攻略 数学I・A・II・B・III (シグマベスト)』の類題でも2番目の解法は使っていなかったのでやはり使わない方が懸命かなと思います.

数学科の学生兼講師の方でしたか.元々この weblog は自分の勉強記録用で完全に趣味で厳密性には拘っておりませんし,覚えたい事を無理に覚えようとして結局現在でも覚えていない事がかなりありますし,見て下さるのはありがたいのですが,あまり参考にしないで下さい.無名の匿名の一個人ということでプロアマ問わず第一線で活躍されている方から見ればかなり異彩を放っていると思いますので.

お返事ありがとうございます

迅速で丁寧なお返事ありがとうございます、勉強になります。(当方数学科の学生 兼 学習塾数学講師であり、趣味とスキルアップを兼ねて貴サイトを愛読しております)

なるほど、安田亨氏の本が出典でしたか。その書籍は気になってこそいますが持ち合わせていませんので、買って確認してみようと思います、態々ページまで教えて頂いて感謝の限りです。

しかし、定数で下から押さえられていることが最小性の根拠であるというのは些か乱暴な気がしてしまいます。

必要なのは、aの係数が0になるようにαを定めることで求めたSの値を、最小値として書くことが「妥当である」ことの保証であって、そのように「書くことが出来る」ことの保証では無いと思います。(私の疑問点を上手く言語化出来ずに申し訳ありません...)

実際、(例えば)aの係数が1になるようにαを定めて、そのαを与えるようにaを定めた値を「最小値」と主張して積分を評価することも可能ですから(当然、誤りですが)。

Re: 参考: 『伝説の良問100』

昔の記事なのでかなり私自身も忘れてしまっている所があるのですが,お答えします.

2番目の解法は,安田亨先生の『入試数学伝説の良問100―良い問題で良い解法を学ぶ (ブルーバックス)』問題94の p.304 から始まる別解を一般化したもので、その本でも,
 a(αの式)-(αの式)
で αの値を aによらないように定めて答えとしていました.最小値が定数としておさえられていることが最小性の保証になっていることかと思いますが,確かに 2項目も αを定める時に動いてしまいますね.著者は有名な方だし本として出されているから間違っていることはないかと思いますが,当時本の問題を一般化して考えてまとめたのが当記事だったと思います.(実の所はよく分からなくて恐縮)

実際の入試問題でも 2番目の解法は使えるものが少ないのであまり使わない方がよいと思います.

二番目の解法について・最小性の保証は?

はじめまして、A6033xさん。IcyBreathと申します。この記事の内容について質問があります。

この記事の二番目の解法(不等式評価)において、aの係数が0となるようにαを定めた後、aとαの関係式を用いてaを決定し、面積Sを定数で下から押さえる...という方法を採られていますが、このように(aの係数が0となるように)αを定めたときのSの値が最小値となることはどのように分かるのでしょうか。

一つ目の解法で示されている通り、dS/da=2G(α)-{G(x_1)+G(x_2)}であり、これは二番目の不等式評価におけるaの係数に等しいですから、これを踏まえればSの値が最小となることは理解出来るのですが、この事実を用いずして、上のような評価が最小値を与えることを証明するのが私には難しいです。

お忙しいところ恐縮ですが、ご教授下さいますと幸いです。よろしくお願いします。
プロフィール

A6033x

Author:A6033x
数検1級取得しました.
個人的な連絡は,hermitvseinsiedler@_@gmail.com
まで(@_@は@に置換すること).
あまり見ないかも知れないのでその場合は twitter の方へ.
twitter:https://twitter.com/A603zw
そもそもネット接続自体減らして行く事になりますが...

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR